【2022年度版】住宅ローン控除の変更点|22年度からの変更点や変更後の控除額をわかりやすく解説


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住宅ローンを利用してマイホームの購入や家の増改築をされた方には、「住宅ローン控除」という国の減税制度が適用されます。
控除を受けるには一定の条件を満たす必要があるものの、適用されたら所得税や住民税が減額され、家計にゆとりをもたらすでしょう。

その制度の内容が、2022年から大幅に改正されました。
以前は、年末の住宅ローン残高の1%が控除される内容でしたが、2022年からは控除率が下がり「減税の恩恵を受けづらくなる」という声も聞かれます。

改正された住宅ローン控除の変更点を、以前の内容と比べながら解説しましょう。

 

【従来(2021年まで)の住宅ローン控除の内容】

2022年に改正された住宅ローン控除の内容を確認する上で、それまでの内容をおさらいしておく必要があるでしょう。

改正前(2021年まで)の住宅ローン控除は、以下のような内容でした。

・控除率:1%
・控除期間:10年
・借入残高のローン限度額:4,000万円(認定住宅などは5,000万円)
・所得制限(年収):3,000万円以下

改正前の控除率は1%でしたから、年末の住宅ローン残高が3,000万円の場合には、最大で30万円の控除が受けられたことになります。
控除期間については、2019年の消費税率の引き上げに伴う特例で13年に延長されましたが、原則は10年です。

また、年末のローン残高の上限額を示す借入残高のローン限度額は、新築の一般住宅が4,000万円、認定住宅などは5,000万円という2つの枠組みがありました。
なお、中古住宅は2,000万円(認定住宅などは3,000万円)です。

 

【2022年の住宅ローン控除の変更点】

従来の内容を確認したところで、2022年に改正された住宅ローン控除について見ていきましょう。
なお、改正内容が適用されるのは、2022年1月1日以降に住宅を取得して住み始めた人です。
それ以前から住宅ローン控除を受けている人は、従来通りで変更されません。

  • 住宅ローン控除の改正内容(2022年)

・控除率:0.7%に引き下げ
・控除期間:原則13年に延長
・借入残高のローン限度額:住宅性能に応じて3,000~5,000万円に細分化
・所得制限(年収):2,000万円以下に引き下げ

それでは、改正された住宅ローン控除の内容を詳しく見ていきましょう。

 

控除率は0.7%に引き下げ

控除率は、従来の1%から0.7%に引き下げられました。
年末の住宅ローン残高が3,000万円の場合、最大控除額は30万円から21万円に下がることになります。

控除率を下げた理由として、国は住宅ローンの金利が下がり続けていることを挙げています。
もともと住宅ローン控除は、利用者の金利負担の軽減を目的に設立された制度です。
つまり、金利負担分の一部(従来は1%分)を減税により還元するという仕組みでした。

ところが、現在の住宅ローンは低金利のあおりを受けて1%未満の商品が多く、金利負担額よりも控除額の方が多い「逆ザヤ」という現象が生じています。
これを問題視した国は、逆ザヤを解消するために控除率を引き下げたといわれています。

 

控除期間は13年に延長

控除期間は、10年から13年に延長されました。
ただし、2019年から特例で13年に延長されていますから、特例が継続されたとも考えられるでしょう。
事実、2024年には再び内容が改正される予定で、一部の新築住宅の控除期間は10年に戻ります。

なお、中古住宅の控除期間は10年のままで、変更はありません。

 

借入残高のローン限度額は住宅性能に応じて細分化

借入残高のローン限度額は、従来の2種類から住宅性能に応じた4種類に細分化され、それぞれに限度額が設定されています。住宅性能ごとの限度額は、以下の通りです。

新築住宅 中古住宅
認定住宅 5,000万円 3,000万円
ZEH 4,500万円 3,000万円
省エネ基準 4,000万円 3,000万円
その他の一般住宅 3,000万円 2,000万円

認定住宅はこれまでと変わらず5,000万円ですが、従来は一般住宅として4,000万円だったZEHは4,500万円にアップしたのに対し、一定の省エネ基準に満たない一般住宅だと3,000万円にダウンしています。

国は、省エネ性能の高い住宅を推進していることから、今後は一定の水準以上の省エネ住宅が新築のスタンダードになってくることが予測されます。
なお、上記の限度額は2024年に再び変更となる予定です。

 

所得制限の引き下げ

所得制限は、従来は年収3,000万円以下でしたが、改正後は2,000万円以下に引き下げられました。
年収2,000万円台の方は、住宅ローン控除の対象外となります。

 

【新築住宅のみの変更点】

これまで説明した改正内容に加え、新築住宅では床面積の要件が緩和されます。

従来の内容だと、床面積の適用条件は50㎡以上でしたが、2022年からは40㎡以上に変更となりました。ただし、40㎡以上50㎡未満の住宅に関しては、所得制限として1,000万円以下であることと、建築確認を2023年末までに受けることも適用条件となっている点には注意が必要です。

 

【中古住宅のみの変更点】

中古住宅では、築年数の要件が今回の改正で緩和されました。

従来の内容では、築25年を超える耐火住宅または築20年を超える木造住宅(非耐火住宅)の購入者は、「既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書」か「耐震基準適合証明書(既存住宅性能評価書)」を取得し、住宅ローン控除の申請時に提出する必要がありました。

改正後は、1982年以降に建築された住宅は新耐震基準に適合するとして、上記の書類を提出しなくても控除が適用されるようになります。
なお、1981年以前に建てられた中古住宅は、引き続き書類の提出が必要です。

 

【最大控除額はどれくらい変わるのか?】

改正前の内容では、借入残高のローン限度額である4,000万円に1%をかけた40万円が、年間の最大控除額でした(認定住宅などは50万円)。
これが10年間続いた場合、最大400万円(認定住宅などは最大500万円)の控除が期待されたことになります。

では、2022年の改正で最大控除額はいくらになるのでしょうか。
新築住宅の種類別に一覧でまとめました。

  • 新築住宅の最大控除額
住宅の種類 年間の最大控除額 トータルの最大控除額
認定住宅 35万円 455万円
ZEH 31.5万円 409.5万円
省エネ基準 28万円 364万円
その他の一般住宅 21万円 273万円

新築住宅の年間最大控除額は、認定住宅だと15万円、ZEHは8.5万円、省エネ基準住宅は12万円、その他の一般住宅だと19万円も減ることになります。

13年間の最大控除額も減額となるケースが多い中、一つだけ増えているのがZEHです(9.5万円のアップ)。
ZEHは、借入残高のローン限度額が増えたこともあり、条件によっては従来よりも控除額が多くなる可能性があります。
とはいえ、ZEHを含めこれから新築住宅を購入される方の多くが、住宅ローン減税の恩恵は小さくなるでしょう。

 

中古住宅では最大控除額がアップするケースも

上記の表は新築住宅の最大控除額をみていきましたが、中古住宅についても年間と10年間の最大控除額を見ていきましょう。

改正前の内容では、中古住宅の最大控除額は年間20万円、10年間で200万円でした。
認定住宅の場合は年間30万円、10年間で300万円です。
2022年改正後の内容は、以下の表の通りです。

  • 中古住宅の最大控除額
住宅の種類 年間の最大控除額 トータルの最大控除額
認定住宅 21万円 210万円
ZEH 21万円 210万円
省エネ基準 21万円 210万円
その他の一般住宅 14万円 140万円

認定住宅とそのほかの一般住宅の最大控除額は減額となりますが、中古のZEHまたは省エネ基準住宅は年間でも1万円増えています。

実は、従来の内容だとZEHと省エネ基準住宅は一般住宅の分類でしたが、今回の改正で認定住宅と同等の分類に変更されたのです。
これにより、控除額は従来よりもアップすることが期待されます。

 

【納税額・扶養家族によっても住宅ローン控除額が増えるケースも】

購入する物件だけでなく、納税額や扶養家族の有無などの要件によっても控除額が増える見込みの人がいます。

一例として、「年収600万円で扶養家族がいる方がZEHの新築住宅を購入したケース」で考えてみます。
なお、住宅ローンの借入額は4,500万円とします。

このケースの改正前の控除額は、単純計算で4,000万円の1%に当たる40万円が最大控除額となるものの、実際には納税額以上の還元はありません。
年収600万円の納税額から考慮すると年間で約30万円、10年間だと300万円弱くらいが実際の控除額だと推測されます。

では、2022年改正後でシミュレーションをすると、ZEHは借入残高のローン限度額が4,500万円に引き上げられたことから限度額いっぱいで計算できます。
控除率は0.7%に引き下げられたことから、控除額は年間で約26万円と少なくなるものの、控除期間は13年間に延長されるためトータルでは約320万円になると試算されます。
改正前と比べて、トータルでは20万円くらいアップすることが期待されるのです。

 

【まとめ】

2022年に実施された住宅ローン控除の改正により、従来よりも控除額が減る方が大半でしょう。
しかし、実際の控除額は購入する建物の種類や納税額、扶養家族の有無、住宅ローンの借入額といった諸条件によって異なるため、ケースによっては控除額が増える方もいらっしゃいます。
とりわけZEHを検討されている方は、そのチャンスがありそうです。

なお、住宅ローン控除の改正は2024年にも実施される予定で、さらに節税しにくい状況になる見込みです。
金利動向によっては予定される内容が変わることも考えられますが、いずれにしても今後の動きに注目していく必要がありそうです。

 


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