住宅ローンの「分割融資」とは?つなぎ融資との違いも解説


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住宅ローンの中には、必要なタイミングで「分割融資」をしてくれる商品もあります。特に注文住宅を検討されている方には、さまざまなシーンで資金面をサポートしてくれる点で、分割融資が強い味方になるでしょう。
ただし、利用するにはいくつかの注意点があります。分割融資以外にも「つなぎ融資」という選択肢もありますから、慎重に検討することが大切です。

ここでは、住宅ローンの分割融資の基本的な情報とともに、つなぎ融資との違いについても解説いたします。

 

【住宅ローンの分割融資とは?】

住宅ローンの分割融資とは、必要なときに、必要な額を融資実行してくれる方法のことです。

一般的に住宅ローンの融資は、引き渡しのタイミングで実行されます。しかし、注文住宅を建てる時は、土地代や着工金など引き渡し前にまとまった資金が必要になることがあるため、ローンの実行前にあらかじめ多額の資金を準備しなければなりません。

住宅ローンの分割融資が利用できれば、その資金を融資額の一部から賄えるため、多額の自己資金を用意する必要がなくなります。

 

【分割融資が使える主なタイミング】

分割融資が使える具体的なタイミングについて、注文住宅を建てるケースで説明します。なお、融資実行のタイミングは金融機関によっても異なります。実際にどのタイミングで実行できるかは、金融機関にあらかじめ確認しておきましょう。
 

土地を購入するとき(土地代)

家を建てる土地を所有していない方は、土地の購入資金を用意しなければなりません。土地代は広さや地域によっても異なりますが、条件によっては建築費よりも高い物件もありますから、多額の資金が必要でしょう。

住宅ローンの分割融資を利用すれば、融資額の一部から土地代の支払いに充てることができます。

 

工事請負契約を結ぶとき(着手金)

注文住宅の建築費は、施工状況にあわせて分割で支払うのが通例です。その一つに「着手金」があります。着手金とは、施工会社と工事請負契約を結ぶ際に支払う費用のことで、建築費の一部に充てられます。着手金の額は、建築費全体の約3分の1と定めている施工会社が多いです。

 

棟上げをするとき(中間金)

工事が進み、棟上げの段階になる前後で必要になるのが「中間金」です。これも、建築費全体の3分の1くらいが目安です。ただ、中間金が不要な施工会社もありますので、契約時に確認しておきましょう。

 

完成した建物を引き渡すとき

着手金と中間金を除いた残金は、建物を引き渡す際に支払います。通常の住宅ローンであれば、このタイミングで融資が実行されますから、土地代と建築費の一部は自己資金で準備する必要があります。その資金を住宅ローンの分割融資で補えることが、利用する最大のメリットです。

 

【分割融資の内容は金融機関ごとに異なる】

先述の通り、分割融資のタイミングは金融機関によって異なりますし、融資の実行回数や融資額の上限なども金融機関ごとに細かく規定されています。つまり、必要なときに必要な額の分割融資を受けるには、金融機関選びが重要なポイントになるのです。

ここで、金融機関を選ぶときに着目したい「分割融資」の内容の一例をご紹介しましょう。

 

融資実行の回数とタイミング

金融機関の多くが、分割融資の実行回数を定めています。「分割融資は2回まで」というところもあれば、「最大6回まで」と定めているところもあるようです。

また、融資実行のタイミングも金融機関ごとに異なります。ある銀行では「土地の購入時と建物の引渡し時の2回のみ」と決めていますし、別の銀行では「3回までなら実行タイミングは自由」と融通の利くところもみられます。

どのタイミングで資金が必要かを事前に確認した上で、それに適した分割融資を実行してくれる金融機関を選びましょう。

 

融資の上限額

1回あたりの融資に上限額を設けている金融機関もあります。たとえば、「借入金額の3分の1まで」という銀行もあれば、「土地の購入費用は全額融資できる」と定めている銀行もあります。

物件によっては、土地代が建築費を上回ることもあるでしょう。それなのに「借入金額の3分の1まで」しか融資されなければ、土地を購入できないかもしれません。必要な額を融資してくれる金融機関を選ぶことも、ポイントの一つです。

 

ローンの返済額

分割融資の場合、融資を実行した翌月からローン返済が始まるのが一般的です。たとえば、土地代の融資を受けたら、家の工事が始まる前に土地代のローン返済が始まることになります。

なお、返済額の内容も金融機関によって異なり、元本に金利負担分を合わせた額の返済を求める銀行もあれば、「引き渡し時までは利息分だけでOK」というところもあります。賃貸暮らしの方だと家賃に加え住宅ローンの支払いも重なりますから、家計の状況に合わせて金融機関を選ぶと良いでしょう。

 

契約の回数

住宅ローンを利用するには、金融機関と金銭消費貸借契約を結ぶ必要があります。この契約について、分割融資の場合には「1回の契約でも可能」なところもあれば、「融資を実行するたびに結び直す」銀行もあります。

契約回数が増えれば、手間がかかるだけでなく金融機関に支払う融資手数料や契約書に貼付する印紙代といった諸費用も増えるので注意が必要です。

ちなみに、諸費用は融資内容に含まれない住宅ローンが一般的ですから、登記費用などの資金は別途準備しておく必要があります。

 

【分割融資の金利について】

住宅ローンの分割融資では、ローンが実行されたときの金利を適用するのが通例です。このため、融資を実行するタイミングによって金利が変わることがあります。たとえば、土地を購入したときの融資額には金利1%、引き渡し時の融資額には金利が上昇して1.5%になる可能性があります。仮に固定金利タイプの住宅ローンを選ぶと、異なる金利が完済まで続くことになるのです。

なお、金融機関によっては金利を選び直せるところもありますし、変動金利タイプしか利用できないところもあります。金利0.1%の違いでも、トータルの返済額は数十万円から数百万円も変わりますから、慎重に決めることが大切です。

 

【つなぎ融資との違いは?】

住宅ローンの分割融資と似たものに、「つなぎ融資」という商品もあります。分割融資と混同されている方もいらっしゃるかもしれませんが、まったく別の商品なので違いを理解しておきましょう。

つなぎ融資とは、住宅ローンの契約を前提に借り入れができる短期融資です。住宅ローンの分割融資と同じく、必要なタイミングで必要な融資額を受けられます。借り入れたつなぎ融資は、住宅ローンを実行するタイミングで完済する仕組みになっています。

つなぎ融資は、住宅ローンとは別商品なので契約が2本になります。つまり諸費用が2倍になるので注意が必要です。

その一方で、住宅ローンの分割融資を利用する際には購入した土地に抵当権を設定する必要がありますが、つなぎ融資は無担保ローンのため設定しなくても借り入れができます。抵当権を設定するには、登記費用などの諸費用がかかりますから、つなぎ融資であればこの費用を抑えられる点も分割融資との違いです。

ただし、無担保ローンなので金利が高いことに注意が必要です。一般的には、住宅ローンの金利に1~2%プラスした金利が適用されますから、トータルの返済額がアップする可能性もあります。建築期間が延びて、つなぎ融資の借入期間が長くなると金利負担額が増えることになるので利用する際には慎重に検討しましょう。

 

分割融資とつなぎ融資のメリットとデメリット比較

●分割融資のメリット
・金利が低い
・住宅ローン控除が受けられる

●分割融資のデメリット
・土地に抵当権の設定が必要
・融資実行の手数料が高い

●つなぎ融資のメリット
・抵当権を設定しなくても利用できる
・登記時の登録免許税に減税措置がある

●つなぎ融資のデメリット
・金利が高い
・住宅ローン控除の対象にならない

 

【つなぎ融資と分割融資はどちらがお得?】

それぞれのメリット・デメリットを比べると、「トータルの返済額はどちらがお得になるの?」と、気になっている方もいらっしゃるでしょう。
結論からいうと、ケースバイケースです。返済のタイミングや契約内容などの要因で、住宅ローンの分割融資の方が高くなる人もいれば、つなぎ融資の方が高い人もいます。

たとえば、つなぎ融資は金利が高いといっても、借入期間は半年程度、長くても1年くらいでしょう。仮に2,000万円をつなぎ融資で1年間借り入れたとしても、分割融資との金利負担の差額は20~40万円くらいです。
その一方で、住宅ローンの分割融資には土地の抵当権設定が必要です。抵当権を設定する際には登録免許税が必要で、住宅ローンの借入額の0.4%になります。借入額が2,000万円なら8万円です。これを司法書士に依頼すると、報酬として5~10万円が上乗せされます。さらに、融資の実行手数料はつなぎ融資よりも分割融資の方が高い傾向にあり、実行回数が増えるほど分割融資の方が諸費用は多くなります。

ほかにも、つなぎ融資には登録免許税の減税措置があること、住宅ローン控除は分割融資には適用されてもつなぎ融資には適用されないことなどの要件を含めると、トータルでどちらがお得になるとは断言できないのです。

 

【まとめ】

住宅ローンの分割融資は、注文住宅の資金調達をサポートしてくれる心強い商品です。
ただし、必要なタイミングで必要な額を融資してもらうには、金融機関ごとに定められたルールを確認し、自身の資金計画に適したところを選ぶのが重要なポイントといえます。
分割融資に対応してくれる金融機関が少ない点も注意点の一つです。

利用を検討されている方は、取り扱っている金融機関を探すところから始めましょう。

 

 


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夫婦で住宅ローンを組むときにお得な方法は?ペアローン、連帯保証、連帯債務それぞれの特徴


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住宅ローン商品の中には、、「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」など、夫婦二人の収入を合算して借入可能額を増やせる商品もあります。
借入可能額を増やすことができれば、ワンランク上の家を購入できるチャンスも広がります。

ただし、これらの住宅ローンを利用する際には注意点もありますから、メリットとデメリットを把握した上で検討することが大切です。
ここで、ペアローン、連帯債務型、連帯保証型のそれぞれの特徴やメリット・デメリット、夫婦でローンを組む際のポイントなどをまとめて紹介します。

 

【ペアローンとは】

収入合算タイプの住宅ローンの代表格といえるのが、ペアローンです。
住宅ローンを提供する多くの金融機関で提供されています。

ペアローンとは、夫婦それぞれが別々の住宅ローンを利用して一つの物件を購入する商品のことです。
たとえば、夫の年収が400万円の場合、借入可能額は年収400万円で返済できる額にしかなりませんが、妻の年収が300万円あると合計700万円で返済できる借入可能額の融資が受けられるようになり、物件の選択肢が広がるでしょう。

ペアローンは夫婦それぞれが契約者となることから、二人に対して金融機関の審査が行われます。
このため、契約時の手数料や印紙代などの諸費用も、二契約分(二人分)が必要です。

また、お互いが連帯保証人になることも利用条件の一つ。
夫が妻の連帯保証人となり、妻は夫の連帯保証人になるのが通例です。

このほか、夫婦二人とも団体信用生命保険(団信)に加入できること、住宅ローン控除も二人に対して適用されることも、ペアローンの特徴です。

 

【連帯債務型とは】

契約は一つで、収入を合算できるタイプの住宅ローンもあります。
その一つが、連帯債務型の住宅ローンです。

連帯債務型とは、夫婦のどちらかが契約者、もう一方が連帯債務者となり、一つの住宅ローンを契約する方法のことです。
夫が契約者、妻が連帯債務者となるケースが多く、二人の収入を合算して借入可能額を増やすことが可能です。

ペアローンと同様に審査は夫婦二人に対して行われます。
また、連帯債務者も全額の債務を負いますから、お互いに安定した収入があることが求められます。
住宅ローン控除についても、二人とも適用される点ではペアローンと同じです。

団体信用生命保険は、契約者は加入できますが連帯債務者は加入できない商品が多く見られます。
そもそも、連帯債務型の住宅ローンを扱っている金融機関が少ないことから、ローン選びの選択肢が狭まることには注意が必要です。

 

【連帯保証型とは】

連帯保証型も、契約は一つで収入を合算できるタイプの住宅ローンです。
夫婦のどちらかが契約者、もう一方が連帯保証人となり、一つの住宅ローンを契約します。

連帯保証人は基本的には債務を負いません。
ただし、契約者が返済を滞るなど返済できなくなった場合には、連帯保証人に支払いの義務が生じます。

また、連帯保証人には家の所有権がないことも特徴の一つです。
ペアローンや連帯債務型の場合、夫婦二人が所有権を持つ「共有名義」で契約し、借入額の割合に応じて持ち分が決まります。
これに対して連帯保証型では、家の所有権は契約者にしかありません。

このほか、連帯保証人は団体信用生命保険に加入できないこと、住宅ローン控除が適用されないことも、ペアローンや連帯債務型との違いです。

 

【それぞれのメリット・デメリットを比較】

ペアローン、連帯債務型、連帯保証型のいずれも夫婦二人の収入を合算でき、借入可能額を増やせる点が大きなメリットといえます。
ただ、上記で説明した通り、それぞれの商品や契約法には特徴がありますから、利用するメリット・デメリットを把握した上で選ぶことが大切です。

ここで、それぞれのメリットとデメリットをまとめてご紹介します。

 

ペアローンのメリット・デメリット

先述の通り、ペアローンは夫婦が別々の住宅ローンを契約する方法です。
同じ住宅ローン商品を契約しても良いですし、たとえば、夫は変動金利タイプで妻は固定金利タイプを選ぶといった契約も可能です。
金利タイプを分けることで、将来の金利上昇リスクを抑えることにもつながります。
これは、二つの住宅ローンを利用できるペアローンならではのメリットでしょう。

また、住宅ローン控除は二人に適用されるため節税効果が大きい点もペアローンを利用するメリットです。

団体信用生命保険に二人とも加入できるのはメリットかもしれませんが、それぞれにしか補償されないことは把握しておきたいポイントです。
たとえば、夫に万が一のことがあって返済できなくなった場合、夫のローン残債は保険会社が完済してくれますが、妻の分は残ります。
連帯債務型や連帯保証型だと、契約者に万が一のことがあれば全額完済されますが、ペアローンだと残された方のローン返済は続きますから、万一に備えて計画を立てておくことが大切です。

また、契約が2本になるため事務手数料などの諸費用が2倍必要になることも、ペアローンのデメリットです。

 

連帯債務型のメリット・デメリット

ペアローンと比べた連帯債務型のメリットは、契約が1本のため諸費用を少なく済ませられる点が挙げられます。

住宅ローン契約に必要な諸費用には、融資手数料や登録免許税などいくつかありますが、二契約する場合には、契約書に貼付する「印紙税」、「保証会社の事務手数料」、そして「司法書士への報酬」はそれぞれにかかります。
これらの目安の費用について、金融機関や借入額などによっても異なりますが、10万円前後にもなります。
こうした初期費用を抑えられる点が、連帯債務型を選ぶメリットです。

これに加え、住宅ローン控除は二人に適用される点も連帯債務型のメリットです。
節税効果が期待できるでしょう。

連帯債務型のデメリットは、取り扱っている金融機関が少ないこと。
利用を検討する場合は、あらかじめ取り扱っている金融機関を確認する必要があります。

また、団体信用生命保険について連帯債務者が加入できる商品が少ないこともデメリットとして挙げられます。
保険に加入できないと、連帯債務者に万一のことがあってもローン返済は続きますから、契約者の返済負担が重くなる可能性があります。

連帯債務者が保険に加入できる商品の一つに住宅金融支援機構のフラット35がありますが、保険料は金利から支払われるため、金利が0.2%前後アップする点には注意しましょう。

 

連帯保証型のメリット・デメリット

ペアローンや連帯債務型と比べた連帯保証型の住宅ローンのメリットは、連帯保証人に返済義務がないことです。
連帯保証人にも、ある程度の安定した収入が求められるとはいえ、ペアローンなどと比べて審査基準は厳しくなく、通りやすい方法といえます。

それに、契約者に万一のことがあっても団体信用生命保険で完済されますから、連帯保証人が残債を支払う心配もありません。
ただし、契約者が長期間滞納するなど故意に返済しない場合は、連帯保証人に支払いの義務が生じます。
また、ペアローンと比べた場合のメリットとしては、契約時の諸費用は一契約分で済むこともあります。
これは、連帯債務型にもいえるメリットです。

連帯保証型のデメリットについては、連帯保証人は団体信用生命保険に加入できないことが挙げられます。
連帯債務型の場合は、加入できる商品が限られるとはいえ保険への加入は可能ですが、連帯保証型ではどの商品も加入できません。
連帯保証人に万一のことがあった場合に備えて、ほかの生命保険に加入するなどの対策が必要です。

さらに、連帯保証人は住宅ローン控除が適用されないため、節税効果が期待できない点もデメリットといえるでしょう。

 

【夫婦でローンを組む際のポイント】

収入合算タイプの住宅ローンを検討する際には、次の点も確認しておくことが大切です。契約前に二人で話し合っておきましょう。

 

連帯債務者や連帯保証人も安定した収入があること

契約が1本の連帯債務型と連帯保証型でも、審査は夫婦二人に対して行われます。
このため、連帯債務者や連帯保証人にも安定した収入が求められます。

とりわけ連帯債務者は全額の債務を負うため、ペアローンと同様に夫婦が正社員で働いているなど一定の収入がないと審査に通らない可能性があります。
債務を負わない連帯保証人だと、安定した収入があればパートなどでも審査に通りやすいですが、契約者が返済できなくなった場合に備えてある程度の収入が審査基準になることも覚えておきましょう。

 

どちらかの収入がなくなった場合に備えておくこと

産休や育休で妻の収入がなくなったり、病気やケガで夫が長期入院したりと、長い人生には収入が得られない時期が来ることもあるでしょう。
それでも、住宅ローンの返済は続きます。

借入可能額を増やせば返済額も当然大きくなりますから、互いの収入が減っても貯蓄から返済できるようにしておくなど計画をしっかり立てることも大切です。

 

売却時のことも考えておく

ペアローンと連帯債務型の場合、物件の所有者は二人の共有名義になります。
何らかの理由で家を売却する場合には、二人の同意が必要です。

売却する理由はさまざまですが、よくあるトラブルが離婚した場合。
どちらかが住み続けるパターンだと、その家に住まない方にも住宅ローンの返済は残ります。

住み続ける方が肩代わりする手もありますが、その場合は住まない方から「贈与があった」とみなされ、住み続ける方に多額の贈与税が課せられることもありますので、注意が必要です。

 

【ペアローン、連帯保証型、連帯債務型はそれぞれこんな人向け】

ペアローンに向いているのは、夫婦ともに安定した収入があり団信に加入できる健康状態である夫婦です。
二人とも正社員で働き、健康に不安のない夫婦であれば問題ないでしょう。
また、女性の場合は産休や育休後も仕事に復帰して働き続ける予定の方であることもポイントです。

連帯債務型と連帯保証人型は住宅ローン契約時の諸費用負担を抑えられますから、初期費用を少しでも安くしたい方に向いています。
なお、住宅ローン減税は連帯債務型の方しか適用されませんので、夫婦二人で節税効果を期待するなら連帯債務型またはペアローンが向いているでしょう。

連帯保証型は借入可能額をとにかく増やしたい方や、どちらかがパートなど非正規雇用の夫婦に適したタイプです。
家の所有権をどちらか一方にしたい夫婦も、連帯保証型を選ぶと良いでしょう。

 

【まとめ】

ペアローンや連帯債務型・連帯保証型の住宅ローンを選ぶことで、夫婦二人の収入を合算して融資を受けられますから、理想の住まいに近い物件を購入しやすくなる点が大きな魅力です。

ただ、借入可能額が増えれば返済額も増えます。
そのため、返済計画は慎重に考える必要があります。
ローン完済まで働く予定がある方ならペアローンまたは連帯債務型を選んでも問題ありませんが、返済途中に仕事を辞める可能性があるなら連帯保証型を選ぶと安心です。

いずれの方法も滞りなく返済できるよう、将来の収支計画を二人でしっかり考えた上で契約するようにしましょう。

 

 


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住宅ローンの借り換えはどう行う?メリットや費用の目安、金利など徹底解説!


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住宅ローンの返済負担を抑えるなら、「借り換え」を検討するのも一手です。

長引く低金利で住宅ローンの金利も数年前より下がっており、現在提供されている商品に借り換えたほうが金利負担額を減らせる可能性があります。
このほかにも、住宅ローンを借り換えることでさまざまな恩恵が受けられますが、注意点もあるため、検討する場合はあらかじめ確認しておくことが大切です。

そこで、住宅ローンを借り換えるメリットや注意点、借り換えるタイミングの目安などをまとめて紹介します。

 

【住宅ローンの借り換えとは】

住宅ローンの借り換えとは、いま借り入れている住宅ローンの残債を別の金融機関から借り入れて完済し、新たに借り入れた金融機関でローンを返済していく方法のことです。

いま借り入れている住宅ローンよりも低金利の商品に借り換えることができれば、トータルの返済額や月々の返済額を減らせますから、「ローン返済が家計を圧迫している」と悩まれている方なら検討したい方法の一つでしょう。
なお、金融機関によっては借り換え専用の住宅ローン商品を提供しているところもあります。
さまざまな商品のなかから、自分に適した住宅ローンを選ぶこともポイントの一つです。

 

【住宅ローンを借り換える5つのメリット】

住宅ローンを借り換えることで、返済負担を抑えたり将来に安心感を与えたりと、さまざまなメリットを享受できます。
ここで、住宅ローンの借り換えで得られる主なメリットを5つ紹介しましょう。

 

返済額を減らせる

いちばんのメリットが、トータルの返済額を減らせることです。

先ほども説明した通り、いま借り入れている住宅ローンよりも低い金利の商品を選ぶことで将来返済する金利負担を抑えられ、トータルの返済額や月々の返済額を減らせる効果が期待できます。
その効果は、残債や残りの返済期間にもよりますが、1%でも低い住宅ローンに借り換えると、金利負担を数十万円から数百万円も抑えることが可能です。

 

返済期間を短縮できる

毎月の返済額はこれまでと同じ額に設定すれば、返済期間を短縮することもできます。

住宅ローンの完済時期は定年前に設定するのが一般的ですが、定年後も返済が続く方は年金以外にも安定した収入を確保する必要があるでしょう。
借り換えることでトータルの返済額が減れば、定年前に完済できる可能性もあります。
老後に安心感を与える意味でも、住宅ローンの借り換えは検討したい一手です。

 

団信の補償内容を見直せる

最近の住宅ローンは、団体信用生命保険(団信)の内容がとても充実しています。

死亡や高度障害のほかにも、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)や八大疾病(三大疾病に加え、高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)でも補償される商品も登場しています。
団体信用生命保険の内容は、住宅ローンを完済するまで変更できないのが通例です。
しかし、借り換えをすれば新しい保険に加入し直すことになるため、保険の見直しもできるのです。

 

金利上昇リスクを防げる

いま借り入れている住宅ローンが変動金利タイプの場合、固定金利タイプの住宅ローンに借り換えることで金利上昇リスクを抑えられます。

現在は低金利の状態が長く続いていますが、今後上昇する可能性も否定できません。
とりわけ、これから子どもの教育費が増える方など出費がかさむことが想定される方の場合、住宅ローンの返済額が増えないように対策したいところです。
返済額の増加に不安を覚える方であれば、金利上昇リスクのない固定金利の住宅ローンに借り換えると安心でしょう。

 

リフォームローンの借入にも有効

リフォームを検討されている方であれば、住宅ローンの借り換えと同時にリフォーム資金を借り入れることが可能な金融機関もあります。

一般的にリフォームをするときの融資はリフォームローンを活用しますが、その金利は住宅ローンよりも1~2%高い傾向があります。
住宅ローンを借り換える際に窓口でリフォーム資金の借り入れを相談し、住宅ローンと同じ金利でリフォームの融資を受けられたら、金利負担分を大きく減らすことも期待できるでしょう。

 

【借り換えるタイミングの目安について】

住宅ローンを借り換えるメリットは、ローン残債が多く、また残りの返済期間が長い人ほど効果が大きくなります。
借り換えることで減るのは金利負担分が主ですから、できるだけ早い段階に実行した方が得をするのです。
一般的には、「ローン残債が1,000万円以上」「ローン実行から10年以内」「金利が1%以上下がったとき」に借り換えると効果が大きいといわれます。

では、実際にどれくらい返済額を抑えられるのでしょうか。
ここで、「返済期間35年の方が金利の1%低い商品に借り換える場合」でシミュレーションをしてみます。

 

ローン実行10年目に借り換えた場合

  • 前提条件

・ローン残高:2,500万円

・ローン残年数:25年(ローン実行10年目)

・金利:2.5%→1.5%へ借り換え(全期間固定金利)

この条件で、残り25年のトータル返済額をシミュレーションした結果は、以下の通りです。

  • 残り25年のトータル返済額

・借り換えた場合          約3,000万円

・借り換えない場合      約3,365万円

借り換えなければ残債は約3,365万円ですが、1%低い商品に借り換えると約3,000万円になり、約365万円も抑えられます。
毎月の返済額で比べると、1万円以上も安くなる計算です。

 

ローン実行20年目に借り換えた場合

  • 前提条件

・ローン残高:1,500万円

・ローン残年数:15年(ローン実行20年目)

・金利:2.5%→1.5%へ借り換え(全期間固定金利)

先ほどよりローンの残高が1,000万円減ったケースで、残り15年のトータル返済額をシミュレーションします。

  • 残り15年のトータル返済額

・借り換えた場合          約1,677万円

・借り換えない場合      約1,800万円

このケースでも、トータルの返済額は123万円以上、毎月の返済額は6,907円も節約できます。
ただ、ローン実行10年目(ローン残年数25年)と比べるとトータル返済額の削減効果は小さいことがわかるでしょう。

住宅ローンの借り換えを検討するなら、できるだけ早い時期に検討する方が、より大きな効果を期待できます。

 

【住宅ローン借り換えの注意点】

住宅ローンの借り換えにはメリットだけでなく、デメリットとなる注意点がいくつかあります。
以下の点は金融機関にもよりますので、借り換えを検討している場合は確認した上で利用しましょう。

 

公的住宅ローンは原則として借り換えができない

財形住宅融資や公庫などの住宅ローンを利用されている方は、原則として民間金融機関の住宅ローンなどへの借り換えができません。
逆に、民間金融機関の住宅ローンから公的融資への借り換えも不可です。

例外として、フラット35は借り換えが可能ですが、フラット35Sへの借り換えはできない点には注意しましょう。

 

借り換えにも審査がある

いま借り入れている金融機関で受けた審査と同様に、借り換え先の金融機関でも審査を受ける必要があります。
借り換え先の金融機関が指定する提出書類を揃えるなど、意外と手間のかかる作業ですから、事前準備をしっかり行うことが大切です。

審査で特に注意しなければならないのが、収入の点です。
住宅ローンの実行後に、転職や起業された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
転職や独立して間もない方だと安定した収入が見込めないとして審査に影響が出る場合がありますし、以前より収入が減っている方も注意が必要です。

 

諸費用がかかる

住宅ローンの借り換え手続きには、「いま借り入れている金融機関への完済手続き」と「新しい住宅ローンの契約手続き」をする必要があり、それぞれに諸費用がかかります。

まず、いま借り入れている金融機関への完済手続きに必要な諸費用には、「全額繰り上げ返済の事務手数料」「ローン保証料の手数料」「登記費用」などがあります。
目安の額は金融機関によっても異なりますが、全額繰り上げ返済の事務手数料が1~3万円程度、ローン保証料の手数料が1万円程度、そのほか抵当権の抹消にかかる登記費用が2万円程度で、トータルで4~7万円くらいになります。

一方、借り換え先の新規契約に必要な諸費用には、「事務手数料」「ローン保証料」「印紙代」「登記費用(抵当権の設定費用)」などがかかります。
事務手数料は3~5万円程度が目安。

ローン保証料は借入額と返済期間に応じて決まりますが、おおよそ20~30万円くらいです(金融機関によっては保証料が不要なところもあります)。
契約書に貼付する印紙代が2万円程度、さらに抵当権を設定する登記費用として10万円前後となり、トータルで数十万円は必要になります。

これらを合わせた諸費用は、数十万円から100万円を超えるケースもあります。
とくに残債が少なかったり残りの返済期間が短かったりする方だと、借り換えによって減らせる返済額よりも諸費用の方が高くなる可能性がありますから、借り換えの効果をシミュレーションした上で諸費用と比較されることをおすすめします。

 

【まとめ】

住宅ローンの借り換えは、いま借り入れている商品よりも金利の低い商品を選ぶことでトータルの返済額や返済期間の短縮も見込めますから、家計負担を軽くしたい方は検討したい手法です。

一方で、借り換えの手続きには手間とコストがかかります。
場合によっては、借り換えない方がトータルコストを抑えられることもありますから、どちらがお得になるかを比較検討するこが大切です。

住宅ローンの返済負担を抑える方法は、借り換えのほかにもいくつかあります。
家計が苦しくて悩んでいらっしゃる方は、まず、いま借り入れている金融機関の窓口で相談し、どの方法が家計負担を最小限に抑えられるかを総合的に判断されることをおすすめします。

 


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住宅ローンの繰り上げ返済で損しないためのタイミングとは


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住宅ローンには、「繰り上げ返済」という制度があります。

これを活用するとトータルの返済額を抑える効果があり、返済期間を短縮したり毎月の支払額を抑えたりいったメリットを享受することが可能です。
ただし、タイミングを間違えると期待した効果が得られないこともありますから計画的に実行することが重要です。

そこで、繰り上げ返済の効果を大きくするために知っておきたいポイントや注意点をまとめました。
ご検討中の方は、ぜひ参考にご一読ください。

 

【繰り上げ返済とは?】

繰り上げ返済とは、自由なタイミングで好きな金額だけ住宅ローンを返済できる制度のことです。

住宅ローンの返済は通常、毎月の支払いやボーナス払いがありますが、これらの定期的な返済とは別に、貯蓄や保険の解約払戻金などを都合の良い時に返済できます。

返済したお金は元本の返済に当てられます。
元本が減れば金利負担も抑えられますから、トータルの返済額を削減できることが繰り上げ返済を利用するメリットです。
特に、金利が高いときに実行すれば、将来支払う予定だった利息分も大きく減るため、家計の負担軽減につながるでしょう。

 

【繰り上げ返済の種類】

繰り上げ返済には、「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」という二つの種類があります。
繰り上げ返済を上手に活用するには、それぞれの特徴を把握したうえで家計の状況に合わせて選択することがポイントです。

返済期間短縮型

返済期間短縮型とは、繰り上げ返済で抑えられた残債分だけ返済期間を短くできる方法です。
毎月の返済額は変わりませんが、完済時期は早まるため、定年後も住宅ローンの返済が続く方などに利用される傾向があります。

また、返済額軽減型と比べて利息の軽減効果が大きいことから、できるだけ金利負担を抑えたい方にも適した方法です。

返済額軽減型

返済額軽減型とは、繰り上げ返済で抑えられた残債分だけ毎月のローン返済額を減らせる方法です。
返済期間は変わりませんが、繰り上げ返済をした翌月から返済額を減らせるため、効果を感じやすい方法といえるでしょう。

子どもの教育費が増える、出産や育休などで収入が減るといった、将来の家計負担を見越して利用される方が多く見られます。

【返済期間短縮型と返済額軽減型は、どちらがお得?】

いずれの方法もトータルの返済額を減らせることには変わりないのですが、軽減効果は違います。
一般的には、返済期間短縮型の方が軽減効果は大きいとされますが、実際にはどれくらいの差があるのでしょうか。

ここで、「ローン実行から5年目に100万円を繰り上げ返済する」ケースで、それぞれの軽減効果を比較してみます。なお、詳しい借入条件は次の通りです。

  • 借入条件

・借入額:2,500万円

・返済期間:35年(残り30年)

・金利:1.35%(全期間固定金利・元利均等返済)

・ボーナス払い:なし

毎月の支払額は74,722円、残り30年の返済期間がどれくらい変わるかをシミュレーションした結果は、以下のようになります。

返済期間短縮型 返済額軽減型
返済期間 28年5ヵ月 30年
毎月の返済額 7万4,722円 7万1,335円
利息軽減額 48万1,461円 21万6,071円

返済期間短縮型だと、完済時期が1年7ヵ月短縮し、利息軽減額は約48万円という結果になります。
一方の返済額軽減型は、毎月の返済額が約3,400円減り、利息軽減額は約21万円という結果でした。
返済期間短縮型の利息軽減額が大きくなるのは、「返済期間を短くできる」から。
返済期間が長くなるほど金利負担は大きくなりますから、期間を短くできる返済期間短縮型のほうが利息軽減額は大きいのです。

ただし、家計の状況は人それぞれ異なります。
すぐにでも毎月の返済額を抑えたいという方なら、返済額軽減型を選んだ方が家計の負担を軽くできるので、その時の事情に合わせて適した方法を選ぶことが上手な活用法といえます。

※参考:金融広報中央委員会「繰り上げ返済シミュレーション」にて算出
https://www.shiruporuto.jp/public/aboutus/container/sikin/menu/s_kuriage.html

 

【繰り上げ返済はタイミングが重要】

一般的に、繰り上げ返済は早い時期に実行した方が効果は大きいといわれます。
同じ金額を繰り上げ返済するなら、ローン実行から10年目よりも5年目、5年目よりも1年目の方がトータルの返済額を抑えられるのです。

では、どれくらい差があるのかをシミュレーションしてみます。
繰り上げ返済額は100万円、借入条件は先ほどと同じで、ローン実行から「1年後」「5年後」「10年後」のいずれか1回だけ行った場合、それぞれの利息軽減額を比べました。

  • 借入条件

・借入額:2,500万円

・返済期間:35年

・金利:1.35%(全期間固定金利・元利均等返済)

・ボーナス払い:なし

ローン実行から
1年後
ローン実行から
5年後
ローン実行から
10年後
返済期間短縮型の
利息軽減額
56万2,677円 48万1,461円 38万5,830円
返済額軽減型の
利息軽減額
24万6,871円 21万6,071円 17万8,169円

返済期間短縮型、返済額軽減型、いずれの方法でもローン実行から早い時期に繰り上げ返済を実行した方が利息軽減効果は大きいことがわかります。

利息支払額は元本(ローン残高)に応じて決まりますから、元本が多いほど利息支払額も多くなります。
繰り上げ返済を早く実行すれば元本を減らせますから、利息軽減効果も大きくなるのです。

※参考:金融広報中央委員会「繰り上げ返済シミュレーション」にて算出
https://www.shiruporuto.jp/public/aboutus/container/sikin/menu/s_kuriage.html

 

【こまめに返済するのと一気に返済するのとでは、どちらがお得?】

繰り上げ返済は、まとまった資金ができたタイミングで何回でも実行できます。
たとえば、5年目ごとに100万円ずつ返済するのも良いですし、15年目に300万円を一気に返済するという方法も可能です。

では、こまめに返済するのと一気に返済するのでは、どちらの方が軽減効果は大きいのでしょうか。

結論からいうと、こまめに返済した方が利息の軽減効果は高くなります。
理屈は先ほどと同じで、元本が多いほど利息支払額も多くなりますから、元本を少しでも早いタイミングで減らした方が利息支払額も抑えられます。
よって、トータルの繰り上げ返済額が同じであれば、こまめに返済した方が効果は高くなるのです。

 

【住宅ローン控除と繰り上げ返済のタイミングの関係】

繰り上げ返済は、できる限り早く行った方が利息軽減効果を高められます。
ただ、早く返済することによりデメリットになる場合もあります。
それが、「住宅ローン控除(減税)の節税効果」です。

住宅ローン控除とは、年末のローン残高の1%(2022年4月以降の契約からは0.7%)を所得税や住民税などから控除できる制度のこと。
控除期間はローン実行から原則として13年です。
つまり、繰り上げ返済を早く実行するとローン残高が減るため、住宅ローン控除の還付金も減ってしまうことになります。
このため、「住宅ローン控除が終わってから繰り上げ返済をしたほうがよい」という話もあるようです。

ただし、住宅ローン控除の還付金はローン残高だけでなく、納めた税額や扶養家族などの要素によって人それぞれ異なりますし、そのときの金利によって損得が変わるため一概にはいえません。

一般的には、金利が高い時期には繰り上げ返済を進めた方が得になるといわれますが、低金利が続く現在だと、住宅ローン控除による節税効果の方が大きいといわれます。
ただし、住宅ローン控除の控除率は2022年度から0.7%に引き下げとなるため、繰り上げ返済をした方が総合的に得する方も増える見込みです。

どちらが得になるかは、個々にシミュレーションをする必要がありますから、気になる方は金融機関の担当者などの専門家に相談してみましょう。

 

【繰り上げ返済をする際の注意点】

住宅ローンの繰り上げ返済は、ほとんどの金融機関の住宅ローン商品に適用されている制度です。
ただし、金融機関ごとに利用ルールが異なるため、場合によっては不利益が生じる可能性があります。住宅ローンの借入先を決める前に、利用ルールを確認しておくことも大切なポイントです。

たとえば、繰り上げ返済の「手数料」。
先ほど、繰り上げ返済はこまめに実行した方が利息軽減効果は高くなると説明しましたが、繰り上げ返済をするたびに手数料を徴収する金融機関だと、かえって損になる可能性があります。
こまめに繰り上げ返済をする予定の方は、手数料が無料の金融機関を選ぶなど各行の手数料をチェックしておきましょう。

また、「1回あたりの返済額」も確認しておきたい注意点です。
市中の銀行では、繰り上げ返済額の下限を設けていないところが多いですが、ネット銀行だと最低10万円から、住宅金融支援機構のフラット35だと100万円からといった最低条件額を設けているところもあります。
こまめに返済したくても、最低条件額に満たなければ返せないことになりますから、1回当たりの返済額もチェックしておくことが大切です。

 

【まとめ】

繰り上げ返済のタイミングについてポイントをお伝えしてきましたが、最も大切なことは「家計に余裕があるときに実行する」ことです。
早く完済したいからといって必要な貯蓄まで切り崩して繰り上げ返済に当てると、その後の家計が苦しくなることも考えられます。

繰り上げ返済は、将来の家計にゆとりを与えることが目的の一つ。
今の家計の状況をしっかり見定めながら、計画的に実行するのが繰り上げ返済の上手な活用法なのです。

 


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住宅ローンで借りられる額と返済できる額は違う?年収別に無理のない返済計画を立てるポイント


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住宅ローンの融資額は、現在の年収などに応じて「借入可能額」を金融機関で決めています。
その額をあらかじめ知っておくことで金融機関の審査に通りやすくなりますが、「借入可能額」と「無理のない返済額」とは別物であることには注意が必要です。
限度額いっぱいまで借り入れると、返済が滞るリスクが高まります。

今回は、年収ごとの目安の借入可能額を紹介するとともに、無理のない返済計画を立てるポイントをお伝えします。

 

【借入可能額の算出方法は?】

そもそも、借入可能額はどのように算出されるのでしょうか。
その方法は金融機関によっても若干異なりますが、多くのところでは以下の要素を元に借入可能額を決めています。

・年収

・返済期間

・返済負担率(返済比率)

・審査金利

・ほかのローンの借入額

など

「返済負担率」とは、年収に対する年間のローン返済額の割合です。

たとえば、年収400万円の方が年間120万円(毎月10万円)を返済する場合、返済負担率は30%になります。
多くの金融機関では返済負担率を30%前後に定めていますが、ゆとりある返済プランを立てるためには、25%くらいが適切だといわれます。

「審査金利」とは、金融機関が将来を見越して独自に定めた金利です。

現在は低金利でも、いずれ金利が上昇する可能性があります。
金利が上昇すれば返済額が増え、滞納するリスクが高まりますから、金融機関ではあらかじめ高い金利(審査金利)で借入可能額を求めることにより、住宅ローンの破綻リスクを抑えているのです。
なお、審査金利は実際に適用される金利より1~2%高く設定する金融機関が多く見られます。

「ほかのローンの借入額」とは、カードローンや自動車ローンなど、住宅ローン以外のローン借入額のことです。

「ほかにも支払いがあるのに住宅ローンが返せるのか?」という視点でも、金融機関ではチェックしていますから、借入可能額を多くしたい方は他のローンをできるだけ返済することをおすすめします。

 

【年収ごとの住宅ローン借入可能額の目安表】

上で説明した内容を踏まえて、住宅ローンの借入可能額を年収別にシミュレーションしてみましょう。
なお、シミュレーションにあたり前提条件は以下の通りです。

・返済期間:35年

・返済負担率:25%

・審査金利:2%

・他のローンの借入額:0円

この条件で、年収別の借入可能額は以下の表です。

年収 借入可能額
300万円 1,886万円
400万円 2,515万円
500万円 3,144万円
600万円 3,773万円
700万円 4,402万円

参考:住宅保証機構「住宅ローンシミュレーション」
https://loan.mamoris.jp/

 

年収300万円の借入可能額は1,886万円

年収300万円の借入可能額は、1,886万円が目安です。
新築だと物件数が限られてくるものの、中古も含めれば選択肢は広がるでしょう。

金融機関によっては、もう少し多く借り入れできるところがあるかもしれません。
しかし、1,886万円を借り入れたときの毎月の返済額は、約6万2,000円です。
年収300万円の手取り給与は月18万円弱くらいでしょうから、住宅ローンを支払うと11万円くらいしか残りません。
現在の支出状況と比べて返済が厳しい場合は、返済負担率を20%くらいに下げて考えるのも一手です。
借入額は1,509万円に下がりますが、毎月の返済額は5万円弱にまで抑えられます。

 

年収400万円の借入可能額は2,515万円

年収400万円の借入可能額は、2,515万円が目安です。
立地にもよりますが新築でも物件数は多いですし、注文住宅も手に届く範疇でしょう。

年収400万円の手取り給与は、月25万円弱くらいの方が多いと思います。
毎月の返済額は約8万3,000円くらいなので、ローンを支払っても15万円以上は手元に残ります。
ただし、家計の状況は人それぞれですから、15万円では厳しいという方は返済負担率を20%に下げてみましょう。
借入額は2,012万円になるものの、毎月の返済額は6万7,000円弱にまで抑えられ、ゆとりが出てくるでしょう。

 

年収500万円の借入可能額は3,144万円

年収500万円だと、借入可能額が3,000万円を超えてきます。
神奈川県西部の新築4LDK住宅の相場は約3,000万円ですから、住まいの選択肢が広がるでしょう。

毎月の返済額は約10万4,000円。
手取り給与が月30万円くらいの方であれば、ローンを支払っても余裕があります。
ただし、ワンランク上の家を目指そうと借入額を増やすのは注意。
仮に、返済負担率を30%に上げると借入額は3,773万円にアップしますが、毎月の返済額も約12万5,000円に上がるため、家計の状況によっては返済が厳しくなるかもしれません。
子どもの教育費など、支出が増える時期を見越して貯蓄することをおすすめします。

 

年収600万円の借入可能額は3,773万円

年収600万円の借入可能額は、3,773万円が目安です。
庭の広い住宅や好立地の物件なども視野に入ってくるでしょう。
注文住宅を建てる場合は、ワンランク上の設備を採用するなど、こだわりを叶えやすくなるかもしれません。

毎月の返済額は約12万5,000円です。
手取り給与は月35万円という方なら、十分にゆとりがあります。
返済負担率を30%にすると、借入額は4,528万円。毎月の返済額は15万円弱になりますから、現状の生活費と比べて返済できそうであれば30%で検討しても良いでしょう。
ただ、無理をしてまで借入額を増やすのは注意が必要です。

 

年収700万円の借入可能額は4,402万円

年収700万円だと、4,000万円以上の家も手に入ります。
毎月の返済額は約14万6,000円なので、支払後も手元に25万円弱は残せるでしょうから、余裕があれば返済負担率を30%でシミュレーションしても良いかもしれません。
30%だと毎月の返済額は175,000円くらいになりますが、借入額は5,282万円まで増やせます。

なお、返済負担率が35%になると毎月の返済額は20万円前後になりますので、無理をしない範囲で借入額を決めることが大切です。

 

【限度額まで借り入れるリスク】

これまで紹介した借入可能額は、返済負担率を25%で算出しています。
ところが、多くの金融機関では返済負担率を30%前後で設定していますし、住宅金融支援機構のフラット35だと年収400万円以上であれば返済負担率の上限は35%です。
つまり、上記で紹介した額より高い額を借り入れることも可能です。

限度額いっぱいまで借り入れができれば、ワンランク上の家を手に入れられるかもしれませんが、借入額が多くなれば毎月の返済額も増えます。返済額が増えれば、家計が苦しくなることは誰もが想像できることです。
何かを切り詰めるにも、いちばん支出が多いのが住宅ローンですから、いずれローンの滞納が始まるでしょう。

滞納が一定期間続くと、金融機関は回収に向けてあらゆる手を尽くしてきます。

住宅ローンを契約する際には抵当権を設定しますが、これは返済ができなくなったときに家を差し押さえて競売にかけて残債を回収できる「金融機関の権利」という意味でもあるのです。
しかも、競売の額が残債に満たなければ、その差額を契約者に請求できる権利もあります。

住宅ローンを滞納すると、最悪のケースは住む家を失うばかりか借金に追われる日々を送ることもありますので、無理な借り入れは禁物です。

 

【借りられる金額と返せる金額は違う】

住宅ローンを契約するまでは、どうしても金融機関の審査にとらわれ「いくらまで借りられるか」という点に着目しがちです。
しかし、借入額よりも重要なのは「いくらまでなら返せるのか」という視点を持つことではないでしょうか。
借りられる金額と返せる金額は、違うのです。

たとえば、年収400万円の借入可能額は、返済負担率が25%だと2,515万円ですが、返済負担率を30%で求めると3,018万円まで増やせます。
実際に多くの金融機関では、この額でも融資は可能です。
では、3,018万円を借り入れたときに毎月の返済額がいくらになるかというと、約10万円になります。
手取り給与が月25万円弱くらいの方にとって、給与の約4割が住宅ローンの返済で消える計算です。

もちろん、将来的に収入がアップして返済負担が軽くなることも考えられるでしょう。
しかし、負担が重くなる可能性も考えられます。
病気や事故などで長期間入院して収入が減ることがあるかもしれませんし、子どもの教育費が想定以上にかかるケースもあるでしょう。

収入減や支出増になっても、住宅ローンは毎月同じ返済額を求めてきます。
こうした事態になっても滞ることなく毎月返済できる額を、あらかじめ把握しておくことが大切なのです。

金融機関が借入可能額を求める際に、個々の家計の状況まで把握して算出するわけではありません。
ましてや、将来のライフプランでどれくらいの費用が必要かも人ぞれぞれですから、細かく計算していないのです。
だからこそ、借入額は限度額いっぱいではなくやや少なめに設定し、不測の事態が起きても対応できるよう余裕を持った資金計画を立てることが大切なのです。

 

【まとめ】

住宅ローンの借入可能額をあらかじめ調べておけば、予算を把握できるので物件選びがしやすくなります。
金融機関の審査にも、通りやすくなるでしょう。

ただし、借入額を決めるときは「返済できる額」も把握しておくことが大切です。
長い返済期間中に、どのようなライフイベントがあり、どれくらいの支出が想定されるかを予測しておかなければ、いざ必要になったときに困ってしまいます。

将来を予測することは難しいものですが、金融機関の担当者やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しながら、滞りなく返済可能なゆとりある資金計画を立てることが無理のないプランを作る上で大切なポイントなのです。

 


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